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2.ユーザー車検

★まずは、【車検】について。

「自動車検査」の略名が、「車検」と呼ばれています。基本的な二つを挙げると「新規検査」と「継続検査」です。一般的に車検と呼ばれているのは、継続検査の方で、車の寿命を延命させて行くことが出来れば、何度でも取ることが出来、50年でも乗りつづけることが出来ます。ただし、車検とは、車検時の時点で、安全基準を満たしているかどうかの検査であって、期限付きの利用許可証のようなものです。決して車検期間のその後の2年間の安全を保障するものでは、有りません。ここが重要なところですが、車検期間の2年間の安全性の維持は、ユーザーの自己責任で、行うことになります。前のページで紹介しました95年の「道路運送車両法」の改正時に「点検」と「整備」についても、明確な使い分けがされるようになりました。

【点検】車が走るにあたって各部の機能が正常に働くか調べることで、これにより、問題が有れば要「整備」となります。
【整備】保安基準を満たしてない部分のパーツの交換、修理、調整などにより、正常に機能するようにすることです。

基本的に、日常、クルマは、ユーザーが「点検」し、何か問題が有れば、ユーザーもしくは、整備工場で、「整備」する。ということです。

★次に、【ユーザー車検】についてお話しします。

その名の通り、クルマのユーザー自らが車検を取ることです。

95年の法改正を受けて、「前検査・後整備」方式が、可能になったことで、整備が必要な部分だけを直すことが出来るこの方式と、従来からの「前整備・後検査」方式と、ユーザー車検にも大きく二つの選択肢が出来ました。

【前整備・後検査】従来の24ヶ月点検・整備を、車検の前に済ませておく方式です。
整備工場に持ちこむ場合このシステムですが、ユーザー車検でも、始めにテスター屋に持ちこんで、不具合を調節し、全ての2年点検・整備項目を自分でチェックしても良いのです。

【前検査・後整備】そのままの車(ちゃんとある程度のことはしましょう)で、検査を受けた後に2年点検整備をします。
検査合格の場合、その後、2年点検・整備を実施しますが、不合格なら、テスター屋に持ちこんで不具合を調整、整備が必要な箇所が有れば整備工場もしくは、自分で直します。
不具合を調整・整備後、車検場の検査ラインに戻り再検査を受けることもできますが、(95年の改訂で、)民間車検場で不合格の部分を整備して検査を受け合格すれば再度車検場の検査ラインに持ち込まなくてもよろしい!となりました。いずれにしても、車検の受け方は、多種多様になり、ユーザー自らが一番いいと思う方法を選択することが出来るようになったことは、我々DIY系車乗りにとっては、多いに歓迎する出来事です。

★ユーザー車検の二つの方法について:【前整備・後検査】【前検査・後整備】分かりやすく図解してみます。

 【前整備・後検査】方式

 【前検査・後整備】方式


★ユーザー車検代行業者に依頼することについて:ユーザーが自らの責任で、保守管理をすることが改正「道路運送車両法」の前提ですから、私は、お勧めしません。2CVでは、依頼を断る業者さんもいると思います。最低限のチェックはしてくれても、点検・整備は、その値段的にも別料金になるところが多いようです。

102項目から60項目(1年点検の26項目&34項目)に減少した検査項目ですが、どんな物が有るか、自動車検査票から全て書き出してみますね。
乗用車とは関係の無いものも含まれていますが、関係ないものはチェックされようが無いので、見流してください。

【検査項目】

簡単に書き出して見ますと

 1.サイドスリップ
 2.CO/HCガス
 3.ブレーキ
 4.ヘッドライト
 5.スピードメーター
 6.下回り
 7.保安・灯火装置


なのですが、以下に検査票の項目を細かく忠実(太字もそのままに)に書き出してみましたので、参考までに見てみて下さい。(かなり泣ける作業でした。)

 【02.同一性等】
   車名、型式、番号標板(封印、取付、損傷、汚損)、車台番号、原動機型式等、種別、用途、形状、長さ、幅、高さ、車両重量、定員、その他

 【03.原動機、動力伝達装置】
   原動機(異音、かかり具合、排気の色)、潤滑装置(油漏れ)、冷却装置(キャップ、漏れ)、ファンベルト(損傷緩み)クラッチ、チェーン(緩み)、スプロケット(取付磨耗)、トランスミッション/トランスファ(油漏れ)、デファレンシャル(油漏れ)、プロペラシャフト/ドライブシャフト(連結部の緩みダストブーツの亀裂損傷)、ジョイント部(損傷、取付、がた)、ボルト/ナット(損傷脱落)、その他

 【04.車わく・車体】
   車わく・車体(亀裂、変形、腐食、傾き、突起物、回転部分の突出)、車体表示(最大積載量、タンク容量、積載物品名、自家用/事業用、貸渡、ダンプ番号、幼児専用/スクールバス、制限車両、20トン越ステッカー)、荷台、さし枠、自重計、巻込防止装置、突入防止装置(取付位置、損傷)、連結装置(カプラ、キングピン、ピントルフック、ルネットアイ)、その他

 【05.乗車装置】
   乗降口、車室、座席、通路、非常口、保護仕切棒、隔壁、室内灯、インストルメントパネル、シートベルト、ヘッドレスト、難燃性、その他

 【06.保安装置】
    反射器(前部、後部、大型車用、側方)、驚音器、運行記録計、消火器、非常信号用具、窓ガラス、サンバイザ、ワイパー、ウォッシャ、デフロスタ、後写鏡、アンダミラ、サイドアンダミラ、計器類、警報装置、警光灯、サイレン、その他

 【07.灯火類】
    前照灯、補助前照灯、車幅灯、番号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、側方灯、非常点滅表示灯、方向指示器(全面、側面、後面)、補助方向指示器、速度表示装置、側方照射灯、後部霧灯、黄色回転灯、制限灯火、禁止灯火、その他、不具合(切替、個数、不点灯、取付位置、灯器損傷、点滅回数、灯色、光度、向き)

 【08.制動装置】
    ブレーキペダル、ブレーキバー、ラチェット、ホース/パイプ(漏れ損傷取付状態)、ロッド/ケーブル(緩みがた損傷)、マスタシリンダ/ホイルシリンダ/ディスクキャリパ(液漏れ)、倍力装置、センタブレーキ、エアブレーキ(チャンバー、エア充填装置)、ABS装置、リザーバタンク液料、その他

 【09.操縦装置】
    識別表示、施錠装置、ハンドル(操作具合)、舵取りホーク(損傷がた取付)、ギアボックス(油漏れ)、パワーステアリング(ベルトの緩み損傷油漏れ)、セクターシャフト/ピットマンアーム/ドラックリンク/リレーロッド/タイロッド/ナックルアーム/アイドラアーム(緩みがたダストブーツの亀裂損傷)、キングピン、その他

 【10.緩衝装置】
    シャシばね、Uボルト、センタボルト、クリップバンド、プラケット、シャックル、ストラット、ラジアスロッド、ショックアブソーバ、エアサスペンション、その他、不具合(取付部の損傷がた緩みばねの損傷エアの漏れ油漏れ

 【11.走行装置】
    ホイールディスク、ホイールベアリング(フロントリアのがた)、リム、サイドリング、スピンドルナット、ハブボルト、クリップボルト、ナット、アクスル、車輪の振れ、タイヤ(サイズ、亀裂、損傷、磨耗、空気圧)、その他

 【12.燃料装置】
    燃料タンク、配管、継手、燃料ポンプ、キャブレタ、燃料噴射装置、LPG燃料装置(ガス容器、車内との気密/隔壁)、その他、不具合(燃料漏れ

 【13.電気装置】
    配線(取付、接続、損傷)、バッテリ(液量、ターミナル)、発電/充電装置、点火装置、高圧コード、端子、その他

 【14.騒音・排出ガス対策装置】
    騒音防止装置(機能不良)/消音機/排気管(接続部、取付ブラケット)/排出ガス発散防止装置(触媒装置、EGR装置、二次空気供給装置、キャニスター)(取付の緩み損傷)、熱害対策装置(遮熱板取付の緩み損傷、温度センサー、警報装置、処置ラベル)、その他

 【15.その他】
    内圧容器(導管、ドレインコック)、付属装置、コーションラベル、照明書類(自重計適合証、移動タンク設置許可証、タンク証明書、緊急自動車指定申請に関する書類、道路維持作業指定申請に関する書類)、その他

 【不具合状況】
    汚損、損傷、破損、折損、劣化、磨耗、歪み、がた、緩み、遊び、脱落、亀裂、取付不良、作動不良、接触、突起物、変形、油漏れ、水漏れ、ガス・エア漏れ、寸法不足、その他

このページは、以上でございます。


1.赤黒君と車検
2.ユーザー車検
3.車検の予約
4.検査前の準備
5.必要書類
6.必要経費
7.検査ライン
8.裏技を紹介
09.体験記
10.付録(印刷)
11.Q&A掲示板
12.リンク集

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